精進と修行

映画飲酒ピアスホラーオカルトエログロナンセンスバンド活動くまモンが生き甲斐の熊本市中央区出身都内在住のグラフィックデザイナー今年は年女23歳でぇ~す

ムカデ人間2

ホラー映画やスプラッタ映画は、耐性無い人興味無い人からすればどんな内容であれ“気持ち悪い”、“趣味悪い”と評価されるものです。好きな人からすればそう大したことないような内容であれね。その映画の衝撃度は観る人間によってそれぞれあって当り前なんですが、この作品は誰が観ても「気持ち悪い悪趣味だ」と少なからず感じるのじゃないでしょうか。

ムカデ人間2。衝撃作ムカデ人間の次の年に同監督Tom Sixが発表した作品。前作と監督が同じってだけで有難い

ほぼ全編白黒映画。私は白黒映画嫌いじゃないんだけど好んで観るというほどでも無いなと思っていたけれどいざ観てみると白黒で良かったと思えます。これ、白黒なの日本だけなんだっけ?うろ覚え。


前作ムカデ人間のラストから映画は始まり、流れてくるスタッフロールを観る主人公Martinが映るシーンへ。メタ好きには堪らない表現。

Martinは前作の大ファンで、ムカデのことを考えることだけが生き甲斐なんじゃないかってほどの狂人。幼い頃だかに父親に性的虐待を受けて精神的に病んで=狂ってしまい吸入器を常用、同居する母親もお手上げ状態。家で本物のムカデを飼ったり映画ムカデ人間に関するスクラップブック(出演者情報から“ムカデ人間”の施術法メモまで)を宝物にしたり。他人の趣味を否定するのは嫌いだけど流石にこんな人が同居人だったら即逃げ出しますよ。という感じで本物のムカデが劇中何度も何度もどアップで登場します。虫嫌いの私には耐え難いシーンも最初から最後迄多かった


Martinと母が住む家に来てくれるお医者さまは“一過性のものだから気にしないで”と。いや、お母さんあんだけ病んでるんだしもうちょっとなんかないのと。ムカデムカデムカデにこだわる息子ヤベェよって母親は言うんだけど、彼が昔父親に性的虐待を受けた過去を出してムカデは男根の象徴でありなんとかかんとかって…そうなのね。それから性的虐待を受けた子は成長後しばしば自分の性器を自ら傷付ける傾向にあることを告げます。此方は後半シーンに繋がってくるんだけど。


美味しくなさそうな豆のスープ?を食べながら心中話を聞き上の騒音DQNに壁ドンして皿ひっくり返されて鑑賞者をダウナーにさせたあとMartinは職場(駐車場の深夜管理?)に向かいまた映画ムカデ人間をセットしてなんと紙やすりで自慰行為に及ぶ。(適当)


母親は息子が帰宅し寝静まったあと暗い部屋に進入、明かりも点けず息子が寝ているであろうベッドをナイフで滅多刺しにするも息子はまだベッドに入っておらず殺害失敗、それから息子が部屋に隠していた“ムカデ人間スクラップブック”を見付け「変態映画!」と罵しり狂ったようにビリビリに。自分が罵られてる感覚になりましたわ。いくら変態映画とはいえ唯一、本当に唯一大事にしてた趣味を台無しにされたら母親でも殺意湧きそうなものよね、まあお母さんが先に息子に殺意あったんだけど。それからMartinが大事に飼っていたムカデを処分しようとするも激昂したMartinに反撃される。ムカデ攻撃からのバールのようなものでグシャグシャ。

ここで母親の死体が鮮明に映るけれどいかにも作りモノって感じ。この物語の重要な部分は死体のグロテスクさじゃないってことです


さてここに至るまでにちょくちょくMartinは身の回りの人間どもを捕獲していきます 主に職場駐車場に現れたMartinがちょっと気に食わない人たち。

しかもMartinは前作に出ていた女優Ashlynn Yennieすらも連れて来ます(ここが話うまく行き過ぎっていうか、電話でAshlynn含むムカデ1出演者らに嘘の出演依頼だかオーディション依頼だかを出し誘き寄せるんだけどそんな簡単にいくか!www)。


12人。最初からMartinがこだわっていた人数を揃えきり倉庫に運び込んだところでムカデ作戦は始まります。連れて来たAshlynnは勿論先頭へ。


ところで、前作のJosef Heiter博士は曲がりなりにも天才外科医。シャム双生児の分離手術を得意とするちゃんとした先生なのです。しかし今作Martinはただの映画馬鹿であり医療知識も一般常識すらも殆ど無いのに、前作映画で我々も観たような知識だけを頼りに無理矢理12人の肛門と口を繋ぎ合せていきます。全編白黒映画とはいえ目に耐え難い映像の数々。ジグソウも真っ青の適当手術シーン。前作はプロだった上にそもそも手術シーンなんか無かったわ。勿論麻酔をしている様子もないし、途中その衝撃に耐えられずショック死してしまう人間もおりMartinが夢遂行失敗に悲しむ姿も。グロいキモい!では表現しきれないエグいシーンばかりです。1でも充分気持ち悪い映画だと思うんですが、2は汚い表現が大きいかな。


食事をさせたり飲み物を飲ませたり、下剤を注射して無理矢理糞をさせたり。前作映画でやったこと全部やりたいんですね(全編白黒映画のくせに糞だけはそのままの色で表現しやがります)。

しかし繋がれた人間らはMartinが観た映画の人間らより反抗的。指令もあまりうまくはいきません。


次にMartinは己の男性器に針金を巻き付け、ムカデ人間の最後尾の女性に挿入。はわぁぁ知らないマジで基地外じみてるキモピザ異常者に犯されるだけでたまったもんじゃないのに針金付きだなんて!色々な意味で悲鳴を上げる女性、どうすることも出来無いほか9人、項垂れるばかり。Ashlynnは悲鳴なのか怒号なのかわからない絶叫をあげMartinはあまりの煩さに耳を塞ぐも黙らないのでAshlynnの首を引っ掴んでえいやっと舌を引っこ抜きます。衝撃的過ぎて比較的有名なシーンかな?


そんな中、手術中死んだと思われた妊娠中女性が目覚めます。気を失っていただけだったんですね。しかしただ目覚めたわけではなく破水を感じての絶叫。

まだ比較的酷いことをされる前に放置されていたので、ピンピンとは言えずとも血を垂らしながら急いで倉庫を脱出、Martinが乗ってきた車に逃げ込みますが勿論エンジンはかかりません。此の手の映画に有りがちな演出!www 追って来たMartinが窓にへばり付くのも有りがち演出!気持ち悪くておっかない。


そんなこんなしている間に子供が産まれてしまいますが、足元に流れ落ちる子供を踏み付けてでもエンジンを踏む母親。ここも意味不明なんだけど極限状態になればそんな行動もするのかなあ。妊娠中の方や妊娠経験者の方には絶対にみせられないよ!なシーン。

産まれてきた子が生きていようが死んでいようが流石に踏み付けるまではないんじゃないの?ここにきてちょっとグロテスクさを求め過ぎてチープ演出になっちゃったのかな。


Martinが倉庫に戻ると10人1匹?のムカデが5人ずつ2匹のムカデに分裂していました。作戦失敗に悲鳴をあげるMartinは拳銃を構え 逃げ惑ううしろ5人だったムカデをひとりずつ射殺。

まえ5人ムカデもひとりずつ射殺に向うも途中でエンプティ、視聴者に希望を与えるも持っていた小型ナイフで首をギコギコし出します。詳しくは言いませんが今の時期観る映画じゃなかったですね。

それでも4人を殺害、先頭のAshlynnには歪んだ愛しさのような目線を向けるも勿論Ashlynnは拒絶。反撃シーンもあるも結局は殺害されてしまいます。

Martinは反撃に悶絶しつつ倉庫を去る


ここでエンドロール。しかしそこで終りではなく、そのエンドロールをいつもの駐車場警備室の中で眺めるMartinの姿が映って本当のエンドです。


しかもなに、ムカデ人間3があるんだって?観るっきゃない!観るっきゃない……

主人公Martinを演じたLaurence R. Harvey氏はムカデ人間2と3のみに出演なさってるそう。彼の素性が非常に気になる…


ホラー映画やサスペンス映画、ディズニーアニメとかでもそうだけど、メイキングや特典映像で悪役を演じた俳優が巣の顔を見せているとほっと和むものですがそんなものが何ひとつないのでもやもやしたまま鑑賞を終えることが出来ます。まあそんなメイキングを観て所詮フィクションだと思うのは邪道なのかも知れないけれど……


散々言われる1が大丈夫だったからって舐めてかかったら2でひどくトラウマ抱えそうです。1と2はまったく別物だと思って観ても良いかも、、。

個人的には男性感想と女性感想を比べて色々読んでみたいな。リピートはしない、かも。f:id:wammy4:20150313194424j:plain